鉱工業生産07年7月~地震の影響で輸送機械が大幅減

2007年08月31日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・生産指数は2ヵ月ぶりの低下
・電子部品・デバイスの在庫調整進展

■introduction

経済産業省が8月31日に公表した鉱工業指数によると、7月の鉱工業生産指数は前月比▲0.4%と2ヵ月ぶりに低下し、ほぼ市場の事前予想通り(ロイター集計:前月比▲0.5%、当社予想は▲0.7%)となった。出荷指数は、前月比▲1.2%と4ヵ月ぶりの低下、在庫指数は前月比▲0.3%と3ヵ月連続の低下となった。
新潟県中越沖地震の影響で、自動車生産が一時停止したことから、輸送機械が前月比▲7.3%の大幅低下となり、これにより生産指数は1%程度押し下げられた。
その他の業種では、化学(除、医薬品)が前月比▲1.8%、金属製品が同▲1.0%の低下となったが、在庫高止まりが続いている電子部品・デバイスが前月比4.7%、パソコンなどの大幅増産が目立つ情報通信機械が同6.2%と高い伸びとなった。
速報段階で公表される16業種中、7業種が上昇、8業種が低下、1業種が横ばいとなった。
7月の生産指数が新潟県中越地震の影響で低下することは、あらかじめ予想されていたことであった。地震の影響を直接受けた輸送機械を除けば、生産の上昇基調は維持されていると判断される。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)