貿易統計07年6月~4-6月期の外需寄与度は4四半期ぶりのマイナスに

2007年07月25日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・貿易収支は8ヵ月連続で改善
・米国向け輸出が持ち直し
・4-6月期の外需寄与度は4四半期ぶりのマイナスに

■introduction

財務省が7月25日に公表した貿易統計によると、6月の貿易黒字は12,271億円(前年比53.4%)となり、市場予想(ロイター集計:9,485億円、当社予想は11,929億円)を大きく上回った。貿易収支は8ヵ月連続で前年よりも改善した。
輸出数量が前年比6.1%(5月:同6.2%)、輸出価格が前年比9.5%(5月:同8.4%)とともに前月と同程度の伸びとなったため、輸出金額は前年比16.2%(5月:同15.1%)と2ヵ月連続で二桁の伸びとなった。
輸入金額は前年比10.7%と5月の同15.6%から伸びが鈍化した。円安基調の継続、原材料価格の上昇などから輸入価格は前年比17.2%(5月:同14.5%)と伸びを高めたが、輸入数量が前年比▲5.5%(5月:同0.9%)と大幅な減少に転じた。ただし、輸入数量の減少は、今年の6月の休日(土日)数が昨年よりも1日多かったため、通関日数が少なかったことも影響している可能性があることには留意する必要がある。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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