短観速報~業況判断は横ばい圏、設備投資は頭打ちながらも高水準維持

2007年07月02日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

  1. 本日(7/2)発表された日銀短観6月調査によると、大企業・製造業の業況判断DIはプラス23(事前の市場予想:ロイター集計23)、大企業非製造業の業況判断DIは22(事前の市場予想:ロイター集計22)とともに前回調査から横ばいとなった。
  2. 設備投資計画(含む土地投資額、2007年度)は全規模・全産業で前年度比3.1%と前回調査から3.4%の上方修正となった。2007年度の設備投資は昨年度よりは伸び率は低下するものの、高水準のレベルを続ける見込み。
  3. 需給ギャップの代理変数とされる「短観加重平均D.I.」(設備・雇用DI を加重平均して算出)は、2005年9月調査以降、マイナス(需給ギャップの需要超過を意味する)が続いているが、4四半期ぶりにマイナス幅は若干縮小した。
  4. 今回の短観は、日銀が4月末に示した展望レポートに沿った動きという判断をサポートするだろう。ただし、今回の短観結果では7月利上げの材料としては弱い。7月末公表の6月分生産・物価、4-6月期の日・米GDPを見てから利上げを判断するという慎重なスタンスとなるだろう。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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