消費者物価(全国07年5月、東京07年6月)~価格転嫁の動きは確認されず

2007年06月29日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・コアCPIは4ヵ月連続のマイナス
・東京のコアCPI(6月)は3ヵ月ぶりのマイナス
・夏頃までゼロ~小幅マイナスで推移か

■introduction

総務省が6月29日に公表した消費者物価指数によると、5月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は、前年比▲0.1%と4ヵ月連続のマイナスとなり、事前の市場予想(ロイター集計:▲0.1%、当社予想も▲0.1%)通りの結果だった。
10大費目別の動きは前月とほとんど変化が無かった。教育(授業料、参考書、補習教育等)が前年比0.8%、諸雑費(かばん類、たばこ等)が同1.2%と上昇を続ける一方、二桁のマイナスが続くパソコン、デジタルカメラ、薄型テレビ等を含む教養娯楽が前年比▲1.4%と引き続き物価を大きく押し下げている。
ガソリン、灯油価格の下落率が縮小したことから、石油製品価格の低下幅が若干縮小した(4月:▲0.6%→5月:▲0.4%)が全体に与える影響は小さかった。
総合指数は前年比0.0%(4月:0.0%)、食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は同▲0.3%(4月:▲0.2%)であった。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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