07年1Q資金循環統計~法人の資金超過がいっそう縮小

2007年06月15日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・部門別資金過不足(06年度):法人の資金超過がいっそう縮小
・個人金融資産残高(06年度末):残高過去最高

■introduction

日本銀行が6月15日に公表した資金循環統計によると、民間非金融法人の資金余剰幅がいっそう縮小してきている(図表1)。
民間非金融法人企業は、98年度より連続して資金余剰主体となった。2000年度には家計部門の資金余剰幅を上回るようになり、03年度には名目GDP比7.8%まで余剰を拡大した。潤沢なキャッシュフローを背景に余剰は継続しているが、景気拡大に伴う設備投資の広がりを受けて、03年度以降、その幅は縮小してきた(05年度2.4%、06年度0.8%)。
一方、家計部門の余剰幅縮小の動きは03年度(0.8%)を底に変化してきている。06年度は3.9%と05年度1.5%から2.4ポイント上昇し、2000年度程度のレベルに戻っている

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)