5月マネー関連~貸出鈍化が継続

2007年06月08日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■見出し

・貸出動向:1月以降、前年比伸び率は低迷
・マネーサプライ、マネタリーベース

■introduction

日本銀行が6月8日に公表した貸出・資金吸収動向等によると、5月の総貸出(平残、銀行・信金計)は前年比0.9%と17カ月連続のプラスとなった。ただし、伸び率は1月以降一服という状況が続いている(図表1)。
業態別には、全業態で伸び悩んでいるものの、地銀(同2.2%)が比較的堅調を維持しているが、都市銀行等は2カ月連続で前年比マイナスとなった(図表2)。
貸出先別貸出金(6/1日公表、4月分)を見ると、法人は年明け以降伸び率鈍化の動きとなっている(図表3)。景況感改善が足踏みする中で、原材料高騰が一服し、運転資金需要が鈍化しているようだ(図表4)。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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