毎月勤労統計07年4月~年度替わりの賃金改善は見られず

2007年05月31日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・所定内給与の減少幅拡大
・パート比率の上昇も賃金低下要因に

■introduction

厚生労働省が5月31日に公表した毎月勤労統計によると、4月の現金給与総額は前年比▲0.7%と5ヵ月連続で減少した。所定外給与、特別給与はそれぞれ前年比0.7%、2.2%の増加となったものの、所定内給与が前年比▲1.0%と3月の同▲0.7%から減少幅が拡大した。所定内給与を就業形態別に見ると、一般労働者が前年比▲0.7%、パートタイム労働者が前年比▲1.2%とともに減少となった。
4月は多くの企業で賃金改定が行われる月である。各種調査によれば今年の春季賃上げ率は昨年度を若干上回る伸びとなっていたため、毎月勤労統計の4月分でも基本給にあたる所定内給与の伸びが高まる(減少幅が縮小)ことも期待されていた。しかし、結果的には3月よりも減少幅はむしろ拡大し、06年度と同様、年度替わりの賃金改善は確認されなかった。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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