鉱工業生産07年4月~輸出停滞から減速傾向強まる

2007年05月30日

(斎藤 太郎) 日本経済

■見出し

・生産指数は2ヵ月連続の低下
・鉱工業全体の在庫調整は回避か

■introduction

経済産業省が5月30日に公表した鉱工業指数によると、4月の鉱工業生産指数は前月比▲0.1%と2ヵ月連続で低下し、市場の事前予想(ロイター集計:前月比0.5%、当社予想も0.5%)を下回った。出荷指数は、前月比0.9%と2ヵ月ぶりの上昇、在庫指数は前月比0.5%と4ヵ月ぶりの上昇となった。
生産指数は1月に前月比▲2.3%の大幅な低下となった後、ほぼ横ばいの動きを続けている。輸出の停滞を背景に足もとの生産は減速傾向を強めている。
4月の生産を業種別に見ると、米国を中心として輸出の増加に陰りが見られる輸送機械が前月比▲2.8%、在庫の大幅な積み上がりが続いている電子部品・デバイスが前月比▲0.3%との低下となったが、一般機械が前月比2.9%、電気機械が同6.2%の上昇となった。
速報段階で公表される16業種中半数を超える9業種が上昇となった(低下が6業種、横ばいが1業種)が、ウェイトの高い輸送機械(全体の12.3%)が大幅な低下となったため、生産指数全体としてはマイナスとなった。
設備投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は3月に前月比▲7.0%(1-3月期は前期比▲1.2%)と急速に落ち込んだが、4月には前月比8.7%と急上昇した。1-3月期のGDP1次速報では、設備投資が5四半期ぶりの減少となったが、4-6月期の設備投資動向を占う上では好材料と言えよう。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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