4月ECB政策理事会~政策金利は据え置き、6月利上げに布石

2007年04月13日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

■見出し

・4月理事会では政策金利を3.75%に据え置き
・5月理事会では6月の利上げを事実上予告する見込み

■introduction

・決定内容は大方の予想通り据え置き
欧州中央銀行(以下、ECB)は、4月12日の政策理事会で政策金利を3.75%に据え置いた。今月の政策金利の据え置きは、3月の理事会後の記者会見でのトリシェ総裁のコメントで、翌月の利上げを示唆するキーワード「強く警戒(exercise <strong>vigilance)」が用いられていなかったことから、大方の予想通りであった。

・5月の据え置きを示唆する一方、6月の利上げに布石
今回の理事会後のトリシェ総裁コメントでは、以下のような表現によって、5月の利上げは見送るが、市場が織り込んでいるとおり、6月は追加利上げを行なう意向が示された。

・利上げバイアス継続のベースは強めの経済指標
ECBが6月の利上げの地ならしに動いたベースには、以下のように、直近の経済指標でも、ユーロ圏経済の強さと潜在的なインフレ・リスクの強まりが示されていることがある。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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