J-REITにおけるインデックス運用増加とその影響

2006年12月25日

(岩佐 浩人) 不動産市場・不動産市況

■見出し

1.はじめに
2.市場拡大の背景
3.投資信託によるインデックス運用の増加
4.インデックス運用が市場に与える影響

■introduction

2001年9月に2銘柄・時価総額2千億円余りでスタートしたJ-REIT(不動産投資信託)市場は、2006年9月末現在、ファンド数39銘柄・時価総額で当初の16倍となる4兆円に拡大している(図表-1)。
運用不動産の取得価額は5兆円となり、投資対象は当初のオフィスから商業施設・賃貸住宅・ホテル・物流施設へ、また投資地域は都心5区を中心とした東京圏が圧倒的に多いものの、地方主要都市へと徐々に拡がりを見せている(図表-2)。
これは、九州圏や関西圏の投資に特化したJ-REITの登場に加え、東京都心を中心とした不動産価格の高騰や投資ファンド間での取得競争激化を受けて、より高い利回りを期待できる地方主要都市に資金が向かっているためと考えられる。この先上場を計画するJ-REITも数多く存在1しており、さらなる市場拡大とともに、不動産市場と金融市場を結びつけるJ-REIT市場の役割は、ますます高まっていくと予想される。
当レポートでは、創設から5年が経過したJ-REIT市場について、これまでの拡大の背景や市場参加者の動向を振り返るとともに、J-REIT市場で増加しているインデックス運用が市場にどの様な影響を与えているか確認していきたい。

金融研究部   不動産調査室長

岩佐 浩人(いわさ ひろと)

研究領域:不動産

研究・専門分野
不動産市場・投資分析

経歴

【職歴】
 1993年 日本生命保険相互会社入社
 2005年 ニッセイ基礎研究所
 2019年4月より現職

【加入団体等】
 ・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター
 ・日本証券アナリスト協会検定会員

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