1-3月期GDPは前期比0.4%(年率1.8%)を予測

2006年04月28日

(斎藤 太郎) 日本経済

  1. 5/19に内閣府から公表される2006年1-3月期の実質GDP成長率は、前期比0.4%(前期比年率1.8%)と5四半期連続のプラス成長になったと推計される。前期に比べ成長率が減速した主因は、民間消費が5四半期ぶりに減少に転じたこと、外需の寄与度が大幅に縮小したことである。
  2. しかし、1-3月期の民間消費の伸びは実態よりも低めに出ている可能性が高く、外需の寄与度縮小は、内需堅調に伴い輸入が伸びたためである。設備投資の伸びが加速したことなどから、民間需要全体では5四半期連続で増加となった。景気は、民需中心の着実な回復を続けていると判断される。
  3. 名目GDP成長率は、前期比0.2%(前期比年率0.6%)と2四半期連続のプラス成長を予測する。民間消費デフレーターがプラスに転じたことから、国内需要デフレーターはプラスとなったが、輸入物価の大幅上昇が続いているため、GDPデフレーターは前年比▲1.4%と依然として大幅なマイナスになると予測する。
  4. この結果、2005年度の実質成長率は3.2%、名目成長率は1.8%と見込まれる。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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