金融政策・市場の動き~4月11日がXデーか

2006年03月03日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

  1. 1月全国コアCPI(3/3日公表)は、前年比0.5%となった。これで日銀は量的金融緩和の解除条件は整ったとほぼ判断した模様。解除Xデーは福井総裁の腹しだい。この週末でどの程度市場の解除予想が早まるかによるが、3月9日の解除よりは、4月11の可能性が高まってきた。
  2. 長期金利は、量的金融緩和の解除により緩やかな強含みを予想する。ただし、日銀からの発信に対して市場が間違ったニュアンス(早期の利上げがある)として受け止めてしまい、狼狽的な債券売りとなるリスクは高まっていることには、要注意。
  3. 為替相場は、方向感がつかみにくい展開が続いている。今後は、米国経済の鈍化傾向が見られ始める中で経常赤字問題がクローズアップされ、米国中間選挙に向けて内向きなドル安政策への思惑が高まることが予想され、ドル安トレンドに転換することになるだろう。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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