注目に値するオランダの新年金法

2005年06月01日

2006年1月に施行予定のオランダの新年金法は注目に値する要素を数多く含んでいる。現行の年金・貯蓄基本法(PSW)を50年ぶりに改定するものだが、EUの企業年金指令や銀行のBIS規制、国際会計基準IAS19における議論を踏まえた極めて先駆的な内容の職域年金の規制体系がスタートする。
オランダでは従来、職域年金と保険会社は同一の監督機構(PVK)による規制を受けてきたが、最近、さらに中央銀行(DNB)と合併した。これにより、銀行、保険、年金に対して共通の理念にもとづく財務規制が導入されることになった。職域年金にも、BIS規制と同様のリスクベースの自己資本管理が求められ、年金基金の規模等により、複数のリスク管理手法を選択できるようになる。このため、国際会計基準でもまだ固まっていない保険・年金債務の現実価値(realistic value)評価を試行的に導入する。
オランダの新年金法が国際的な保険・年金規制にどのような影響を及ぼすのか定かではないが、今後の動向が注目される。

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