高まるIT関連財の在庫調整圧力

2004年08月27日

(斎藤 太郎) 日本経済

<高まるIT関連財の在庫調整圧力>

  1. 最近の在庫循環の動向を見ると、鉱工業全体では依然として「在庫積み増し局面」が続いている。しかし、IT関連財(「情報通信機械」と「電子部品・デバイス」)はすでに「在庫積み上がり局面」に移行しており、今後の生産調整が不可避な状況にある。
  2. IT関連財の在庫ウェイトは比較的低いために、在庫の積み上がりが在庫指数全体に与えるインパクトはそれほど大きなものではない。
  3. しかし、IT関連財の生産ウェイトは高いため、IT関連財でいったん生産調整が行われた場合には、生産指数全体への影響は大きい。IT関連財の生産調整は今後の生産を大きく下押しする可能性が高いだろう。

<月次GDP>

  • 6月の月次GDPは前月比▲0.7%となった。7月は民間消費の反動増、輸入の減少による外需のプラス寄与等から、前月比0.1%と2ヵ月ぶりの増加を予測する。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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