上昇に転じた家計の購入単価

2004年06月25日

(斎藤 太郎) 日本経済

<上昇に転じた家計の購入単価>

  1. CPI(生鮮食品を除く総合)は小幅ながら下落が続いているが、家計の実際の購入単価はすでに上昇に転じている。
  2. 購入単価指数(家計調査で入手可能な品目毎の平均購入価格を合成して作成)を、同じ品目で合成した加工CPIと比較すると、バブル崩壊以降2000年度までは購入単価の下落率がCPIの下落率を上回ることがほとんどだった。しかし、2002年度にはこの関係が逆転し、2003年度はCPI下落、購入単価上昇となった。
  3. これは消費者が家電製品などの高付加価値商品を積極的に購入したためである。
  4. 消費者の低価格志向はここにきて終息しつつある。家計の購入単価上昇はデフレ脱却時期を早めるひとつの要因となりうるだろう。

<月次GDP>

  • 4月の月次GDPは民間消費、設備投資が好調だったことから、前月比1.3%となった。5月は設備投資、外需の増加等から、前月比0.3%と2ヵ月連続の増加を予測する。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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