QE速報：1-3月期実質1.4％成長～民需中心の回復

＜QE速報：2四半期連続の高成長＞

2004年1-3月期の実質ＧＤＰ成長率は前期比1.4％（年率5.6％）と8四半期連続のプラス成長となった（基礎研事前予測5月6日：前期比1.0％）。外需の下支えが続く中、消費、設備投資等の国内民間需要も好調だったため、2四半期続けて高い成長が維持された。
2002年初に始まった景気回復は外需に牽引されたものだったが、ここにきて国内民間需要も高い伸びとなっており、成長のパターンとしてはほぼ理想に近いものとなっている。
2003年度の経済成長率は実質で3.2％、名目で0.7％となった。
今後は外需の鈍化が予想されるため、国内需要の動向が景気の先行きを左右すると考えられるが、鍵を握る消費、設備投資の先行きには不安が残る。
所得の低迷が続けば消費は息切れしてしまう恐れがあり、非製造業が足を引っ張ることから設備投資は一本調子の回復が続くという訳にはいかないだろう。成長率は今後減速することが予想される。

経済研究部経済調査部長

斎藤太郎（さいとうたろう）

研究領域：経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

・ 1992年：日本生命保険相互会社
・ 1996年：ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年　拓殖大学非常勤講師（日本経済論）
・ 2012年～　神奈川大学非常勤講師（日本経済論）
・ 2018年～　統計委員会専門委員

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