研究領域
経済
財政・税制
求められる税と社会保障制度の一体的な改革
2004年04月01日
(櫨(はじ) 浩一)
(篠原 哲)
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今後人口構造の高齢化がさらに進む過程で、年金や医療、介護など社会保障制度を支えるための負担増は避けられず、極端に悪化している財政収支の改善のために税負担の増加も必要となるなど、税と社会保障負担の両面から国民の負担増が見込まれる。
税と社会保障負担を合わせた国民負担は長期的に増加してきたが、社会保障負担が高まる一方で、税負担は低下気味である。財政赤字が大幅に拡大している要因としては、減税や景気低迷によって所得・利益が減少し、税収が低迷していることが挙げられる。しかしこれ以外の要因として、社会保障負担が増加することにより、社会保険料控除を通じ税収が低下する効果も無視できない。
公表されている所得税、住民税の課税最低限度額は、社会保障負担の増加による課税最低限度の引き上げ効果を十分反映していないため、実際の課税最低限度よりも低くなっている。今後社会保険料が引き上げられていくことによって、さらに現実との乖離が拡大していってしまうおそれがある。
今後社会保障負担が増加していくことによって、家計が負担する所得税がどのような影響を受けるか、政府案による年金制度改革が実施された場合について試算を行った。モデル世帯を用いた試算では、年収500万円の世帯について見ると、現在8.7万円である所得税額は、社会保険料負担が増加することで2025年には7.1万円となり、約▲1.6万円減少する。一般的な世帯の所得税について、2割近い減税が実施されることと同じ効果がある。
社会保障負担が増加を続けていくと、課税最低限度が上昇し納税者割合が低下するなどの問題が深刻化する。あるべき税と社会保障負担の姿を考える上では、税と社会保障制度を一体として負担や給付のあり方を検討する必要がある。
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