設備投資を慎重に見る2つの理由

2003年08月29日

(斎藤 太郎) 日本経済

<設備投資を慎重に見る2つの理由>

  1. 景気回復期待が高まっているが、以下の2つの理由から設備投資については慎重に見る必要があると考える。
  2. GDP統計の実質設備投資は5四半期連続でプラスの伸びとなっているが、これはデフレーターの低下により押し上げられている面が強い。名目では2四半期連続でマイナスとなっており、本格的な回復からはほど遠い状況にある。
  3. 設備投資の先行指標である機械受注統計は、2四半期連続で増加となった後7-9月期も前期比2.2%の増加が見込まれている。しかし、7-9月期の見通しは過大評価されており、実績は前期比でマイナスとなる可能性もある。設備投資の先行きについては慎重に見るべきであろう。

<月次GDP>

  • 6月の月次GDPは前月比0.6%となった。7月は民需の落ち込みを主因として前月比▲0.5%と3ヵ月ぶりの減少を予測する。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)