設備投資の反転時期

2002年04月26日

(斎藤 太郎) 日本経済

<今週の焦点:設備投資の反転時期>

  1. 民間設備投資は2001年10-12月期に前期比▲12.0%と過去最大の落ち込みを記録し、2002年入り後も減少が続いている模様である。しかし、設備投資の調整はかなり進展しているため、今後の減少幅は比較的小幅にとどまるだろう。
  2. 企業は人件費などのコスト削減によって収益率の向上を図っている。このため売上が低迷しても経常利益は回復し、2002年7-9月期には前年比でもプラスとなるだろう。企業収益の回復が明確になる2002年度下期には設備投資も反転する可能性が高い。
  3. ただし、企業部門の改善は人件費の削減によりもたらされるので、個人消費の低迷は避けられず、景気の本格回復には時間を要するだろう。

<1-3月期は4四半期ぶりのプラス成長へ>

  • 2002年1-3月期の実質GDP成長率は、前期比0.7%(年率2.9%)と、4四半期ぶりのプラス成長になると予測する。

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎(さいとう たろう)

研究領域:経済

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴

・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職

・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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