金融為替市場の動き~直接償却に伴うデフレ圧力

2001年04月06日

(矢嶋 康次)

(岡田 章昌)

<金融為替市場の動き>

  1. 3月短観の悪化を先取りするかたちで、量的金融緩和策が実施(3/19)された。今後も景気悪化は続き、物価の下落基調は続き追加金融緩和圧力は高まろう。債券相場は高値警戒感も強く、当面横這い圏での推移となろう。
  2. 円ドルレートは、4-6月期は120円台/ドル台半ばでの推移が予想されるが、景気先行き懸念から追加金融緩和観測が高まれば130円/ドルも視野に入ってくるであろう。

<今週の焦点:直接償却に伴うデフレ圧力>

  1. 破綻先、延滞債権約22兆円を直接償却により一気に処理したとすれば、直接的なデフレ効果は経済成長率を1.4%下押しし、2001年度はマイナス成長となる。
  2. 景気のスパイラル的な悪化を避けるため、直接償却実施には、金融財政政策による景気下支えとともに雇用流動化など各種セイフティーネットの整備等のポリシーミックスが必要であろう。
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