日米比較で見る高齢者の貯蓄・消費と住宅資産の関係

2001年03月01日

(石川 達哉)

(矢嶋 康次)

■intrduction

高齢者の貯蓄行動に対する関心が高まっている。「日本の高齢者の貯蓄率は高い。対照的に、米国の高齢者は貯蓄を取り崩している」と言われることが多いが、事実は異なる。日本でも高齢者の大多数を占める無職世帯の貯蓄率はマイナス6%である。一方、米国の高齢者世帯の特徴は、金融資産のみならず住宅資産も取り崩していることであり、小規模の持家や借家へ移り住むという行動が見られる。その背景には、日本の10倍もの頻度で売買が行われている厚い中古住宅市場の存在が挙げられる。当レポートではこうした実態を詳述し、高齢者の生活資金を確保するうえで何が必要かについても検討する。

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)