依然水面下のインフレ期待

2000年07月01日

(矢嶋 康次) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■intrduction

実質金利と名目金利の間には、実質金利=名目金利-予想物価上昇率という関係が存在している。
名目金利が同じ状態であっても、予想物価上昇率がプラスの状況で実質金利が十分低い場合と、逆に予想物価上昇率が低く実質金利が高い場合では、経済への影響はまったく異なることになり、経済状況を判断する上ではこの予想物価上昇率を把握することが重要となる。
ここで物価上昇率ならば消費者物価や国内卸売物価など多くの物価統計から観測可能である。しかし名目と実質を結ぶのは「予想物価上昇率」であり人々のその時の期待である。
ここで、この観測できない「インフレ期待」を各種サーベイ統計から導き、現在の期待インフレの動向をみてみたい。

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次(やじま やすひで)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員

第54回 エコノミスト賞(毎日新聞社主催)受賞 『非伝統的金融政策の経済分析』

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