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自民党IT戦略特命委員会資金決済小委員会の中間報告(2014年6月)
2014年6月19日、自民党IT戦略特命委員会資金決済小委員会は、「ビットコインをはじめとする「価値記録」への対応に関する【中間報告】」を発表した。
同中間報告においては、これまで仮想通貨、暗号通貨と呼ばれていたものを、通貨でも物でもない、新たな分類に属するものとして、「価値記録」と定義した上で、
「ビットコインをはじめとする価値記録のやり取りはビジネスにおける新たなイノベーションを起こす大きな要素となりうる」
として、価値記録の交換を利用者の自己責任に帰す一方で、既存の規制で縛りつけることをできるだけ避けることを前提としたルールを確立することを提言した。
また、当時の価値記録に対する各国の対応状況として、
・容認する国家として、税制上の取扱を明確にした5か国(スウェーデン、シンガポール、ノルウェー、カナダ、ドイツ)
・黙認する国家として、2か国(イギリス、アメリカ)
・警告する国家として、3か国(キプロス、香港、インド)
・禁止する国家として、4か国(ロシア、中国、ブラジル、タイ)
を例示した上で、日本も同様に自己責任の原則の下で、価値記録の「採掘」、「交換」、「交換所への価値記録・金銭預託」につき、特段の規制をかけない方針とした。
さらに、出資法、銀行法、犯罪収益移転防止法の適用対象とはならないとしている。
課税方針としては、通貨と価値記録の交換、価値記録と物・サービスの交換、価値記録同士の交換に対して消費税を課税し、価値記録によるキャピタルゲインに対しても課税するとしている。
一方で、価値記録関連ビジネスの振興・課題解決を目的とした業界団体を設立し、当該団体による交換所ガイドライン(届出制、本人確認、情報開示、セキュリティ)策定を促している
24。
提言を受け、2014年9月、日本価値記録事業者協会[JADA、2016年4月に日本ブロックチェーン協会(JBA)へ改組]が設立され、2014年10月14日、「JADA自主ガイドライン概要」を策定・公表している
25。
24 「ビットコインをはじめとする『価値記録』への対応に関する【中間報告】」(2014年6月19日)、Active ICT JAPANホームページ。
25 「JADA自主ガイドライン概要」(2014年10月14日)、一般社団法人日本価値記録事業者協会ホームページ。