中国経済:2014年10月の住宅価格~6ヵ月連続の下落も、北京市・杭州市では中古住宅価格が下げ止まり

2014年11月18日

(三尾 幸吉郎)

○ 11月18日、中国国家統計局は2014年10月の住宅販売価格変動状況を発表した。新築商品住宅の販売価格は今年4月をピークに6ヵ月連続の下落となった。住宅価格が下落に転じた背景には、中国政府が購入規制を強化したことに加えて、竣工増による供給増と景気減速に伴う販売減が重なって住宅在庫が積み上がり、販売業者が値引き販売に走ったことがある。

○ 住宅価格は10月も下落したが、下落の勢いは鈍っており、北京市や杭州市では中古住宅価格が下げ止まるなど変化の兆しがある。金融当局は住宅ローン規制の緩和に動き出しており、住宅販売の減少にも歯止めが掛かってきたことから、一旦は下げ止まる可能性がある。但し、住宅価格は高水準で、中国当局も本格緩和には慎重なことから、反転上昇はまだ先だろう。

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