松浦 民恵()
研究領域:
研究・専門分野
【要旨】
定年退職金は社員にとっては老後の生活資金として、企業にとっては賃金制度の柱の一つとして、重要な役割を担っている。厚生労働省「就労条件総合調査」をみると、その定年退職金の水準が、2007年(2008年調査)から2012年(2013年調査)にかけて大きく低下している。
本稿では、この5年間の定年退職金の水準低下の要因として、以下の3つの仮説(可能性)を提示し、これらが定年退職金の水準低下につながったと、筆者が考えた背景や理由について述べている。
仮説1: 資産運用環境の悪化と企業年金再編の相乗効果
仮説2: 退職金制度の成果主義化の影響
仮説3: 高年齢者雇用安定法改正の影響
本稿が、退職金に対する関心の高まり、定年退職金の水準に関する議論喚起、さらには企業における退職金制度再考の一助となれば幸いである。
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