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中国経済:7-9月期の成長率と9月の景気評価点~成長率は鈍化も景気評価点はやや改善
2014年10月24日
(三尾 幸吉郎)
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中国の2014年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比7.3%増と4-6月期の同7.5%増を0.2ポイント下回った(下左図)。11四半期連続で7%台を維持したものの、リーマンショック後の2009年1-3月期(同6.6%)以来の低い伸びに留まった。
一方、景気動向を判断する上で重要な10指標の内、需要面を捉える指標としては、小売売上高、固定資産投資、輸出金額の3つがある。9月も固定資産投資の伸び鈍化には歯止めが掛からなかったが、輸出は上向いてきており、小売売上高も一定の伸びを維持している。
供給面から景気を捉える指標としては、工業生産、製造業のPMI、非製造業の商務活動指数の3つがある。工業生産は8月に前年同月比6.9%増と大きく落ち込んだが、9月には同8.0%増と改善した。非製造業には鈍化の兆しがあるものの、製造業は高水準を維持している。
その他の重要な指標としては、電力消費量、貨物輸送量、生産者物価、通貨供給量(M2)の4つがある。動力源である電力消費量、モノの動きを表す鉄道貨物輸送量、モノの値動きを表す生産者物価、カネの動きの活発さを示すM2は、9月に4つが揃って下向きとなった。
景気10指標を総合的に見た景気評価点(3ヵ月前比で上向きなら1点、下向きなら0点として集計したもの)は、5月の10点を天井として8月には2点まで落ち込んだものの、9月には3点に回復した(下右図)。但し、供給面での回復が目立ってきたわりに、需要面で回復したのは輸出だけで、海外経済の好転に依存した面がある。その他の重要な4指標もすべて下向きとなっており、景気の下ぶれ懸念は依然として強いと考えるのが妥当だろう。
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