最近の人民元と今後の展開(2014年6月号)

2014年06月03日

(三尾 幸吉郎)

○ 5月の人民元相場(対米国ドル)は基準値が下落する一方、現物実勢はやや上昇する展開となった。当初軟調だった現物実勢は、6日に中国人民銀行の介入と見られる元買い・ドル売りで急伸したものの、月末にかけては再びじりじりと値を下げた。また、新興国通貨は概ね堅調で、人民元がさらに下落すると、アジア新興国で不満が高まりかねない状況にある。

○ 6月の人民元(現物実勢)は1米国ドル=6.20~6.27元のレンジ内で動くと見ている。上限(6.20元)を突破するには中国の景気回復は力不足で、下限(6.27元)には中国人民銀行による元買い・ドル売り介入が控えていると見られるからである。

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