IAIS(保険監督者国際機構)による資本規制の検討動向

2014年05月15日

(荻原 邦男)

■要約

IAIS(保険監督者国際機構)は、1994年に、保険監督の標準化、効率化を目指して設立された各国の保険監督組織から構成される機構である。設立以後、(1)保険監督の標準である「コアプリンシプル」の策定、(2)「国際的に活動する保険グループ」の監督のフレームワークを定める「コムフレーム」の策定などの活動を行ってきている。
さらに最近の動向として注目されるのは、サブプライム問題に端を発する金融危機を契機として、G20やFSB(金融安定理事会)を中心に行われている金融規制改革の影響を受けることとなった点である。この改革の狙いは、システミックリスクの発生・伝播を抑止するとともに、適切な破綻処理の策定を事前に求めることにより、大きすぎて潰せないという事態を回避すること、と言えるだろう。
こうしたFSBの動きも受け、IAISは定量的な自己資本基準を策定することを決定した。
当レポートでは、伝統的な資本規制の議論を超えて、新たな局面に踏み出すこととなった保険業における国際自己資本規制に焦点を当て、
  (1)G20/FSB発の金融規制改革に伴うG-SII(グローバルにシステム上重要な保険会社)に対する自己資本強化の動向
  (2)バーゼル規制と同様な定量的自己資本規制の保険業への導入の議論
の二つを紹介することとしたい。


(最近のIAISの資本規制関係の動向、今後の予定を示すと以下のとおりである。)


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