企業物価指数(2013年9月)~ 3ヶ月連続で前年比は2%を超える上昇率に

2013年10月11日

(押久保 直也)

■見出し

・企業物価指数は前年比で6ヶ月連続の上昇
・交易条件は2ヶ月ぶりに悪化
・消費財は前年比で10ヶ月連続の上昇

■introduction

10月11日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、2013年9月の国内企業物価は前年比2.3%と6ヶ月連続で上昇し、8月と同じ上昇率となった。前年比では、3ヶ月連続で2%を超える高い上昇率となっている。また、対前月比では0.3%と4ヶ月連続で上昇した。

国内企業物価(前年比)が高止まりしている要因としては、機械類の下落幅が縮小しつつある上、為替・海外市況連動型、電力・都市ガス・水道、素材(その他)、鉄鋼・建材関連の上昇幅が数ヶ月前よりも拡大したことがある。昨年9月の77~78円台に比べ、今年9月は11円程度の円安となったことから、為替・海外市況連動型が前年比での上昇に最も寄与した。また、9月1日から北海道・東北・四国の3電力会社が企業向け電力料金の値上げを実施したことを主因として、電力・都市ガス・水道は前年比での上昇率が拡大している(8月:8.4%→9月:9.9%)。

今後は(1)海外経済回復に伴う国際商品市況の上昇、(2)国内景気回復持続に伴う需給バランスの改善、(3)貿易赤字の恒常化、米国のQE3縮小に伴う日米金利差の拡大を主因とした円安基調、(4)住宅投資への駆け込み需要を背景とした建設資材高騰、から国内企業物価(前年比)は更に上昇幅を拡大していくことだろう。

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