押久保 直也(おしくぼ なおや)
研究領域:
研究・専門分野
日本経済、財政
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■見出し
・現状判断DIは6ヶ月ぶりの上昇
・先行き判断DIは5ヶ月ぶりの上昇
■introduction
10月8日に内閣府から発表された2013年9月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状判断DIは52.8となり、前月を1.6ポイント上回り6ヶ月ぶりに上昇した。さらに、7月調査から参考系列として公表されている現状判断DI(季節調整値)は54.3となり、前月を3.4ポイント上回り2ヶ月連続で上昇している。
項目別に見てみると、家計動向関連は、50.6ポイントと前月を1.3ポイント上回った。これは(1)「消費税増税前の駆け込み需要や新型ハイブリッド車効果から自動車販売が好調なこと」(2)「新型iphone効果からスマホ販売が好調だったこと」(3)「消費税増税前の駆け込み需要から住宅販売が好調なこと」などが影響していると考えられる。
企業動向関連は、55.9ポイントと前月を2.6ポイント上回った。これは日本経済が内外需ともに堅調に推移している影響と思われる。
雇用関連は、60.3ポイントと前月を1.6ポイント上回った。これは住宅投資への消費税増税前の駆け込み需要を背景として、建設業を中心に求人が増加したことが影響しているとみられる。
景気の先行き判断DIは54.2と5ヶ月ぶりに前月から上昇した。さらに、先行き判断DI(季節調整値)は56.2となり、前月を3.7ポイント上回り2ヶ月ぶりに上昇した。
項目別に見てみると、家計動向関連は、52.9と前月を3.3ポイント上回った。これは2020年の東京オリンピック開催に伴う経済効果や消費税増税前の駆け込み需要が強く期待されている影響とみられる。
企業動向関連は、55.2ポイントと前月を1.8ポイント上回った。これは消費税増税前の駆け込み需要や2020年東京オリンピック開催に伴う投資の増加が見込まれる影響と考えられる。
雇用関連は、60.2ポイントと前月を3.2ポイント上回った。これは消費税増税前に建設業を中心とした求人の更なる増加が期待されている影響によるものと思われる。
2013年9月の調査では現状判断DI、先行き判断DIともに低下基調から上昇に転じており、高い水準で推移している。生活必需品、電気料金の値上げ等による家計圧迫懸念の高まりなど不安材料があるものの、2020年の東京オリンピック開催に伴う経済効果や消費税増税前の駆け込み需要が期待されるなど、景況感の改善基調は維持されている。
研究領域:
研究・専門分野
日本経済、財政