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中国の長期金利上昇について
2013年09月27日
(三尾 幸吉郎)
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中国では長期金利がじわじわと上昇している。5年国債の最終利回りで見ると、6月9日の今年最低値(3.09%)から9月12日の直近最高値(4.03%)まで1%ポイント弱上昇しており、約2年ぶりの4%台乗せとなった(下図-左)。
金利の期間構造分析で織り込まれている今後の短期金利の動きを推定して見ると、長期金利が上昇する前の6月末時点とその後の8月末時点では、現在の金利水準には大きな変化がないものの、今後の金利水準は上方シフトしており、この間に将来の短期金利推移に対する市場コンセンサスに大きな変化があったことが窺える(下図-右)。
長期金利が上昇した原因としては、(2)海外への資金流出、(2)理財商品の監督強化、(3)景気指標の改善が考えられる。(1)海外への資金流出は若干見られたものの、中国の通貨(人民元)が堅調に推移していることなどから影響は限定的だったと思われる。(2)理財商品の監督強化は、残高が減少したというよりも、期間ミスマッチ解消という形で影響したと思われる。(3)景気指標の改善は、債券発行や銀行貸出など実際に資金需要が増えたというよりも、将来の見方が楽観的に変化して金利の期間構造に影響したと思われる。
金利の期間構造を過去と比較すると、基準金利が今より0.56%ポイント高かった2011年7月とほぼ同様の期間構造となっており、中国人民銀行が約0.5%の利上げを行ったのとほぼ同様の資金調達コストの増加を企業にもたらしている。さらに長期金利が上昇すると、回復し始めた景気に水を差す恐れもあるだけに、今後の長期金利が注目される。
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