企業物価指数(2013年6月)~前年比で19ヶ月ぶりに1%を超える上昇率に

2013年07月10日

(押久保 直也)

■見出し

・企業物価指数は前年比で3ヶ月連続の上昇
・交易条件は2ヶ月連続で改善
・消費財は前年比で7ヶ月連続の上昇

■introduction

7月10日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、2013年6月の国内企業物価は前年比1.2%と3ヶ月連続で上昇し、5月の同0.5%から上昇幅が更に拡大した。前年比では、2011年11月(1.3%)以来の1%を超える高い上昇率となった。また、対前月比では0.1%と2ヶ月ぶりに上昇した。

国内企業物価(前年比)の大幅な上昇幅拡大要因としては、機械類、鉄鋼・建材関連の前年比での寄与度に下げ止まりの兆しがみられ、為替・海外市況連動型、電力・都市ガス・水道の前年比での寄与度が5月よりも更に上昇したことがある。円安基調が続く中、昨年6月は一時77円台に突入するなど歴史的な円高水準だったこともあり、為替・海外市況連動型が前年比での上昇に最も寄与した。

今後は(1)海外経済回復に伴う国際商品市況の上昇、(2)国内景気回復持続に伴う需給バランスの改善、(3)貿易赤字の恒常化、米国のQE3縮小観測に伴う日米金利差の拡大を主因とした円安基調、から国内企業物価(前年比)は上昇基調が続くだろう。

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