最近の人民元と今後の展開(2013年6月号)

2013年06月04日

(三尾 幸吉郎)

○ 5月の人民元(基準値)は米国ドルに対してじりじり上昇する展開となり、現物実勢も基準値の上限にほぼ張り付く形でパラレルに上昇したが、相場の先行きを予測して動くNDFは上昇基調の基準値や現物実勢をよそに下落した。また、5月は世界の主要通貨が軒並み米国ドルに対して下落した中で、中国の人民元は上昇、世界通貨の中で独歩高の状況となった。

○ 今後の展開を考えると、習近平国家主席の訪米や米中戦略・経済対話を控えており、中国政府は変動幅拡大を検討している模様である。また、ホットマネー流入を抑えるため中国国家外貨管理局が6月末から銀行の持高管理強化に動き出すことから、人民元の上昇ピッチはこれまでよりも緩やかになり、当面は1米国ドル=6.1~6.2元のボックス圏と予想している。

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