欧米諸国の年金事情~隣の芝生は青いか~ 第8回 =オランダ編=

2013年03月18日

(前田 俊之)

■見出し

1――独自のプロセスから生まれた社会保障制度~「オランダ病」から「オランダの奇跡」へ~
2――公的年金~分かりやすい制度~
3――職域年金~公的年金ともいえる重要性~
4――個人年金~やや影が薄い存在~
5――オランダの年金運用~多数の年金基金が置かれた苦境~
6――それでも高く評価されるオランダの年金制度~日本との違いから見えるもの~
7――おわりに

■introduction

これまで欧米諸国の年金制度をシリーズでみてきましたが、最終回にあたる今回は「オランダ」を取り上げます。オランダは欧州の中でも、年金を始めとする社会保障制度がよく整備された国として知られています。それを裏付けるように、海外の研究機関とコンサルタント会社が共同で毎年発表しているGlobal Pension Indexで、オランダの年金制度は常にトップクラスの評価を受けています。しかし、こうした評価を受けるまでの道のりは決して平坦ではなく、今でもいろいろな工夫を重ねながら制度の改善に努めています。オランダの取り組みプロセスの中には、日本の年金制度を考える上でも参考になることが数多くあるのではないかと思います。


 
 正式名「Melbourne Mercer Global Pension Index」。豪州のAustralian Centre for Financial Studiesと米国のMercer社が共同で作成している。各国の年金制度をAdequacy(給付内容等の適正度)、Sustainability(制度の維持可能度)、Integrity(情報開示等の進展度)という三つの視点から評価するもの。オランダは2010、2011年と続けて第一位となった
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