米10-12月期GDPは年率▲0.1%~前期の国防支出増と在庫寄与が剥落

2013年01月31日

(土肥原 晋)

米商務省1/30発表の10-12月期実質GDP(速報値)は、▲0.1%(前期比年率:以下も同じ)と前期の3.1%、市場予想の1.1%を大きく下回った。伸び率低下は、国防支出が▲22.2%、在庫投資が寄与度▲1.27%と急減したことが大きい。いずれも前7-9月期に急増(国防支出12.9%、在庫の寄与度0.73%)しており、その反動減が反映された形だ。

主要項目では、個人消費は2.2%(前期は1.6%)、設備投資は8.4%(前期は▲1.8%)と回復、住宅投資は15.3%と前期(13.5%)からさらに伸びを高めた。半面、不振だったのは、上記の政府支出・在庫を除くと純輸出が寄与度▲0.25%と前期(同0.38%)から減少に転じたことが挙げられる。なお、GDPから在庫・純輸出を除いた国内最終需要は1.3%と前期(1.9%)から低下した。

10-12月期は、年末に「財政の崖」を控えて先行き不透明感が濃い中、10月末には東海岸を襲ったハリケーンのダメージを受け、景気面への影響が懸念され、FRBは12月FOMCで一段の緩和策を決定した。結局、クリスマスセールが予想を下回ったものの、好調な自動車販売等で消費は堅調に推移、懸念された設備投資も8.4%と持ち直し、住宅投資も高い伸びを見せた。GDPは予想外のマイナスへ転落したものの、前期に突出増を見せた国防支出と在庫投資の一定程度の減少は想定されていたことで、主要な需要項目は改善の動きを見せるなど、景気の実態は懸念されるほど悪化したわけではない。ただ、ほぼ4年ぶりとなる輸出の減少が海外経済の悪化等によるものであれば、留意しておく必要があろう。今後は、「財政の崖」が回避された一方、給与税減税や富裕層の減税が失効したことによる個人消費への抑制が続く。半面、住宅投資の回復には期待が集まる。米景気はFRBの金融緩和策に下支えされながらも緩やかな回復を辿ると思われる。

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