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中国経済見通し:内需主導で回復し始めた中国経済、この勢いはどこまで続くのか?
2012年12月11日
(三尾 幸吉郎)
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今年7-9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.4%増と、前四半期の同7.6%増を0.2ポイント下回り7四半期連続で減速した。先進国と比べれば依然高いとはいえ、中国としてはリーマンショック後の2009年1-3月期以来の低成長である。但し、前期比でみると2.2%増と前四半期を上回っており、今年1-3月期の1.5%増をボトムに成長ピッチは回復しつつある。
需要別に見ると、輸出は欧州経済の低迷で一進一退の動きが続いているものの、消費は高い賃金上昇と実質所得の改善で回復力が高まっており、投資も公共投資の前倒しや鉄道建設投資の増額で鈍化傾向に歯止めが掛かったことから、内需主導の回復傾向は当面続くと見られる。
一方、インフレ懸念の後退と住宅価格の下落を受けて、中国人民銀行(中央銀行)は金融緩和を進めてきた。これを受けてマネーサプライの伸び鈍化にも歯止めが掛かったものの、資金需要の高い不動産分野ではバブル膨張を恐れる中国政府が不動産規制を堅持しており、過剰生産設備を抱える製造業も投資に慎重なことから、資金需要は盛り上がりに欠けている。
過剰生産設備を抱える製造業や不動産規制が続く不動産業では、今後も大きな投資需要(=資金需要)は期待できないものの、第18回中国共産党大会の方針と整合的な環境・サービス関連では投資需要(=資金需要)が今後高まって「投資の主役交代」が起きる可能性がある。但し、新しい投資の主役である環境・サービス関連は、従来の製造業・不動産と比べて規模が小さいため、投資全体を加速させるには力不足であり、下支えする程度に留まると見られる。
個人消費の堅調を想定する中で、来年には欧州経済が最悪期を脱出、「投資の主役交代」で環境・サービス関連の投資増を見込み、2013年の成長率は8.3%、2014年は8.1%と予想する。
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