二期目を迎えた「オバマノミクス」~課題山積も経済環境は改善

2012年11月30日

(土肥原 晋)

■見出し

1――「財政の崖」への対応が最優先課題に
2――課題山積のオバマ政権二期目
3――改善見せる二期目の経済環境

■introduction

11月6日の大統領選では、接戦ながらも優勢とされたオバマ大統領が再選を果たした。同時に実施された議会選では共和党が下院を、民主党が上院を制した。結果として、大統領と議会下院とのねじれ状況は変わらず、今後もオバマ大統領と議会との軋轢が懸念される。特に、選挙後に控えた「財政の崖」への対応は、現議員による議決となり期間も限られるため、先送りの可能性が強いものの、オバマ政権と共和党との間で妥協点を見出せるのか、その行方が注目されている。

その他にも課題は山積している。今回再選後の演説で、オバマ大統領は「やり残したことをやる」と表明したが、その筆頭は2014年に本格実施が迫る医療制度改革だろう。また、規則制定の遅れが目立つ金融規制改革法には一段の尽力が必要だ。いずれも、ロムニー候補が改廃を主張していたもので、共和党と意見の対立が大きい。

一方、景気回復は未だにオバマ政権誕生以来の最大の課題であり、喫緊の対応が必要な「財政の崖」自体、多くは景気対策の手段であった。ただ、緩慢な成長では雇用の回復は鈍く、求められているのは、失業率を持続的に低下させる景気回復の加速である。2010年の中間選挙で大敗を喫し、今回の大統領選でロムニー候補の支持率を高めたのも、雇用回復の遅れが主因だった。今後の経済運営で成果が出なければ、2年後の中間選挙での敗北は否めない。幸い米経済は、回復の遅れが顕著だった住宅投資が改善を見せるなど、回復方向を明確化しつつある。懸案の「財政の崖」に上手く対処できれば、景気回復の持続は可能と思われ、やり残した課題を達成するためにも、着実に景気回復を推進することが必要となろう。

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