日本経済の長期展望と企業経営-ニッセイ景況アンケート 2012年8月調査より-

2012年09月28日

(竹内 一雅)

■見出し

1――はじめに
2――調査の背景とアンケート概要
3――おわりに

■introduction

日本生命保険(相)とニッセイ・リース(株)は、35回目となる「ニッセイ景況アンケート調査(2012年度上期調査(2012年8月実施、回答数4,545社))」を実施し、ニッセイ基礎研究所が集計・分析を行った。今回のアンケートでは、特別調査として「日本経済の長期展望と企業経営」を取り上げ、日本経済の長期的な成長や企業経営の見通しについて、各企業がどのような展望や課題を持っているのかについて調査した。

その結果、多くの企業が10年後の日本経済と自社の経営は現状より厳しくなると認識すると同時に、新たな時代にあった企業像や経営課題をもって対応しようとしていることが明らかとなった。本調査によると、10年後の日本の経済成長に対して悲観的な見通しを持つ企業は8割を上回っている(悲観的見通しを持つ企業は81%、楽観的な見通しは14%)。こうした厳しい経済への見通しの中、自社の経営に対しても、10年後の経営が厳しくなる方向にあると考える企業は59%と過半数を占めている。ただし、全体の53%は「どちらかといえば厳しくなる」と考え(厳しくなる方向にあるという回答に占める比率は89%)、多くが穏やかな悪化を予測している。また、「国内市場の低迷」や「人口減少・少子高齢化による需要減少」などの懸念から、今後、多くの企業は高成長を望むのではなく、現在の事業規模の維持(安定経営)や高収益を目指そうとしていることが明らかとなった。さらに、今後10年間の経営課題として、製造業では「商品開発力の向上」や「事業のグローバル化」が、非製造業では「人材育成・後継者問題」、「新規事業の開拓」が重要になるという結果が得られた。

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