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中国経済見通し:今年は7.9%、来年は8.5%
2012年09月11日
(三尾 幸吉郎)
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中国の輸出は、欧州向けが前年割れになるなど落ち込みが顕著で、今年の純輸出はマイナス寄与となりそうである。2013年には欧州経済が最悪期を脱し輸出環境は若干改善するとみられるものの、欧州・米国ともに急回復は見込みづらく輸出の回復力は限定的と予想している。
個人消費も小売売上高の伸びが低下するなど冴えない動きだが、高い賃金上昇とインフレ落ち着きによる実質所得改善を背景にさらに落ち込む可能性は低く、リーマンショック後の消費刺激策で需要を先食いした副作用も徐々に癒えると考えられることから、2013年には自動車など耐久消費財の消費が回復に向かい、今年よりも力強さを増すと予想する。
厳しい不動産規制が続く不動産開発投資は当面鈍化とみられるものの、政府は9月5日に都市軌道交通に関する25件(8000億元超)のプロジェクトを承認するなど公共投資の前倒しを進めており、鉄道部の基本建設投資も増額されたため、投資鈍化には歯止めが掛かると予想。
他方、工業生産では在庫の積み上がりが懸念されている。特に電力エネルギー生産供給業や金属製造業の産品在庫は大幅増で、多少の需要増では生産拡大に結びつかない可能性があり、生産調整は長引きそうである。但し、製造業は不振でもサービス産業は企業マインドが堅調を維持しているため、当面はサービス産業が生産を下支えするとみられる。
中国人民銀行は2ヵ月連続で利下げするなど金融緩和を進めているが、不動産規制を堅持するなど政府の意向に沿った分野に限定した金融緩和であり、融資の回復ピッチは鈍い。但し、政府の意向に沿った「戦略的新興産業」や「省エネ環境保護」の分野で、民間企業がビジネスチャンスを発掘すれば、容易に資金調達できる環境でもあるため民間活力に期待がかかる。
以上の分析を踏まえ、2012年は7.9%成長、2013年は8.5%成長と予想する。
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