英国における社会的変化と暴動

2011年12月26日

(キャサリン・グリーン)

■見出し

1--------はじめに
2--------暴動の背景
3--------暴動に対する海外メディアの見方
4--------「分裂した社会」に対してくすぶる不満
5--------おわりに

■introduction

2012年7月27日のロンドンオリンピック開幕まで残りわずかとなった。世界で最も栄誉あるスポーツの祭典は、開催国の威信を高め、国民の愛国心を醸成する。しかしながら英国においては、2011年8月に発生した暴動以降、オリンピック開催時の警備体制に対する懸念が浮上しており、祝賀ムードに水を差している。本稿では、この暴動の背景について、欧州を中心とした海外メディアの見方も含めて紹介したい。
英国における暴動は、2011年8月6日に、ロンドン北部のトッテナムで警察が男性を射殺した事件に対して抗議する群衆が暴徒化したことを契機に、バーミンガムやマンチェスターといった地方都市にまで発展した。8月10日には、北アイルランド地域以外では初めてとなる暴動鎮圧用放水銃の使用が許可され、暴動はようやく沈静化した。日本のメディアでも暴徒と化した若者により略奪される商店や、放火で燃え上がる建物の衝撃的な映像が放映されたと聞いている。

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