小売業は前年比▲2.6%と3ヵ月ぶりに悪化~商業販売統計11年8月

2011年09月29日

(桑畠 滋)

■見出し

・小売業は前年比▲2.6%と3ヵ月ぶりに悪化
・百貨店、コンビニともに東北では復興需要から、大幅増加が続く

■introduction

9月29日に経済産業省から公表された11年8月の商業販売統計速報によると、小売業販売額は前年比▲2.6%の10兆9480億円と、3ヵ月ぶりに減少した。季節調整済前月比でも▲1.7%と、2ヵ月連続して減少した。
物価変動の影響を除いた実質値(当研究所試算値)では前年比▲2.4%と4ヵ月ぶりに減少した。
業種別では、飲食料品小売業(前年比1.2%)や、燃料小売業(同3.2%)が引き続き前年比で増加したものの、機械器具小売業が、6月、7月にテレビの駆け込み需要やエアコン、扇風機などの暑さ対策品が好調に推移し2ヵ月連続で高い伸び(6月:前年比15.0%、7月:同10.0%)となった反動から、前年比▲19.3%と、大幅に減少した。一方、自動車小売業は、前年比▲18.8%の減少となったものの、サプライチェーンの復旧が続いていることを背景に、4月の同▲37.8%を底に持ち直しの動きを続けている。
寄与度別では、飲食料品小売業が販売額全体を0.4%、燃料小売業が0.3%押し上げたものの、自動車小売業が▲2.3%、機械器具小売業が▲1.2%と大きく押し下げた。

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