米4-6月期住宅価格~需要期入りも前年比での下落傾向続く

2011年09月01日

(土肥原 晋)

■見出し

・「全米」住宅価格指数は前年比での下落が続く
・ケース・シラー「20都市指数」は9ヵ月連続の前年比下落

■introduction

ケース・シラー、FHFAの住宅価格指数(四半期、月例)が発表された。4-6月期ケース・シラー全米指数は4四半期ぶりに前期比プラスとなったものの、FHFA指数では17四半期連続のマイナスが続いた。また、前年比では両指数ともマイナス幅を広げた。4-6月期は住宅需要期入りで下落休止の動きも見られる一方、反発力は弱く、住宅価格の底打ちとはならずに再び下落傾向を続ける可能性が強そうだ。背景には、差し押さえ物件の増加や高水準の在庫が市場を圧迫する構図がある。今後、住宅価格が一段の下落となれば、買い手が様子見を強め、貸出し基準が一層強化されること等も予想され、そうした動きがさらに住宅市場の回復を遅らせることとなろう。

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)