米8月FOMC、2013年半ばまでのゼロ金利維持を表明

2011年08月10日

(土肥原 晋)

■8月FOMCの概要

・8月FOMCでは、2013年半ばまでのゼロ金利政策維持を表明
・経済見通しは大きく下方修正か
・8月FOMC声明文の内容

■introduction

8月9日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)では、現在の景気について予想以上に減速、景気のダウンサイドリスクが増大しており失業率の低下も緩慢とし、2013年半ばまでの異例の低金利(0%‐0.25%)据え置きを表明した。これまでは「長期にわたり据え置く」とするなか、バーナンキ議長は「長期」の意味を「少なくとも2~3回の会合後」としていたため、今回、約2年間の据え置きを表明したことは意外感を持って受け止められ、株式市場は急上昇(+429ドル)、前日の急落(▲634 ドル)の7割弱を回復した。
なお、今回、FOMC後の記者会見は予定されておらず、FOMC直後に発表された声明文では、上記に加えて保有証券償還金の再投資策の維持を決定、市場が注目していた追加の量的緩和策(QE3=quantitative easing)やその他の政策手段についても議論を行い、準備を進めているとするなど今後の取り組みへの可能性を残した。この点、8/26日のバーナンキ議長の講演が早くも注目されている。一方、すでに異例の3委員の反対票が出ており、更なる反対票が出るような追加緩和策の実施は難しくなりそうだ。

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