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インド経済:インドの経済発展と今後の注目点
2011年07月29日
(三尾 幸吉郎)
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インドは1991年以降のラオ政権下で経済自由化路線を本格化させた。外資参入が徐々に増え、IT産業が成長の柱に育ち、2000年代は7.4%の高成長となった。但し、目覚しい経済成長を遂げた中国と比べると、規模の面でも発展度の面でもインドの発展は緩慢といわざるを得ない。
中国と比べてインドの発展が緩慢だった背景には都市化の進展スピードの遅さがある。都市化を進めるには、第一次産業の生産性向上と共に、そこで生じる余剰労働力を吸収できる第二次、第三次産業の発展が必要となる。インドではIT産業が急発展して雇用創出の柱に育ったが、労働集約型工業では中国に大きく劣後している。
IT産業の発展が軌道に乗る中で、農業の生産性を向上させると共に、インフラ整備、規制緩和、法整備などを通じて中国に対抗できる投資環境整備を進めることができれば、今後は自動車、鉄鋼、医薬品に続く新たな工業が発展、農村から生まれる余剰労働力を吸収して都市化が進展、インド経済が高成長軌道に乗る道筋が見えてくるだろう。
現在策定中の第12次5ヵ年計画では、農業を含めた幅広い産業の発展を支える1兆ドル及ぶインフラ整備が盛り込まれる見込みで、今年5月の地方選挙では外資誘致に前向きな国民会議派系が台頭、これまで障害となってきた中央と地方の連携にも改善の兆しがある。
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