中国経済:日本との対比でみる中国

2011年06月24日

(三尾 幸吉郎)

○中国経済は、投資が盛んで、消費が少なく、製造業中心で、雑製品を大量輸出、人民元は大幅割安などの特徴があり、現在の日本経済とは大きく異なるが1970年頃の日本とは共通点が多い。

1.現在の中国の投資割合はGDP比で4割強とG20諸国の中でも際立って大きく、日本の約2割とは大きく異なるが、日本でも1970年代前半には4割弱の水準にあった。
2.現在の中国の消費割合はGDP比で4割弱とG20諸国の中でも際立って小さく、日本の55%前後とは大きく異なるが、日本でも1970年代前半には5割を割る水準にあった。
3.現在の中国の製造業割合はGDP比で4割強とG20諸国の中でも際立って大きく、日本の約2割とは大きく異なるが、日本でも1960年代には4割弱の水準にあった。
4.現在の中国の雑製品の輸出超過額はG20諸国の中でも際立って大きく、雑製品が輸入超過の日本とは大きく異なるが、高度成長期の日本では雑製品が輸出のひとつの柱であった。
5.中国人民元は米国ドルに対して約4割の割安水準にあり、約4割の割高水準にある日本とは大きく異なるが、日本円も1971年のドル・ショック以前は約4割の割安水準にあった。

○1970年以降の日本経済の変化を確認することは、時代が変わり国情も異なるとはいえ、今後の中国経済の行方を考える上では参考になる点も多い。そこで、投資、消費、産業、貿易、為替の5つの視点から調査分析し、参考になる統計情報を紹介することとしたい。




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