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新興国経済:日本との対比でみるBRICs経済
2011年01月28日
(三尾 幸吉郎)
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日中のGDP規模の逆転が話題となる昨今だが、購買力平価(PPP)ベースでみると、2001年には日中のGDP規模は既に逆転、2009年には2倍を超えている。図表-1に示したとおり、BRICs経済を合計すると米国のGDP規模も既に上回っている。
存在感を高めたBRICs経済だが、一人あたりGDPで計った経済水準は依然として低位にある。インドは日本の1966年レベル、中国は日本の1973年レベル、ブラジルとロシアは日本の1980年前後のレベルに留まり、今後に大きな成長余地を残している。
BRICs経済を、産業構造、需要構造、貿易構造の観点から比較すると、各国のマクロ経済構造の特徴が浮き彫りになり、過去約40年のマクロ経済構造の変遷をみると、今後の経済発展に向けたヒントが垣間みられるようだ。
今後のBRICs経済を展望すると、ブラジルではルラ政権時代の巧みな経済運営を新任のルセフ政権が上手く引き継げるか、「中所得国の罠」にはまり易い環境下にある中国は模倣によるキャッチアップから自主イノベーションへ転換できるか、経済発展で遅れをとったインドは中国のように都市化をスピードアップできるか、エネルギー産業の再生に成功したロシアは資源大国から脱し、製造業・サービス業でも成長の柱を育てられるか等がポイントとなるだろう。
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