冷え込み続く米住宅販売~10月は中古、新築一戸建ともに減少

2010年11月25日

(土肥原 晋)

■見出し

・10月中古住宅販売戸数は、年率443万戸と前月から減少:中古住宅販売の動向
・10月新築一戸建て住宅販売は、年率28.3万戸と過去最低に接近:新築一戸建て住宅販売の動向

■introduction

住宅販売の概要
米国の10月住宅販売は、中古、新築一戸建てとも前月比減少となった。いずれも前年比では20%台後半のマイナスにあるなど、住宅減税終了後の冷え込みが続いている。
10月中古住宅販売は、前月比▲2.2%と減少、年率443万戸となった。4月末の住宅減税期限時に増加した後は減少に転じ、7月をボトムに上昇していたが、10月は減少の動きとなった。
また、10月新築一戸建て販売は前月比▲8.1%、年率28.3万戸となった。中古住宅販売と同様、4月に増加後、反動減もあり5月以降は過去最低水準の30万戸を挟んだ推移が続いている。
最近の住宅販売市場では、低金利、住宅価格低下等、購入条件の改善で購入余裕度指数が高い一方、高失業率を背景とした延滞・差し押さえの増加が止まらず、差し押さえ処分物件が、需給・価格の両面で販売市場を圧迫する構図が続いている。住宅減税終了で一時取得層を中心とした受け皿も縮小しており、失業率の高止まりが続く間、販売不振からの脱却は難しそうである。

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