中国の不動産価格:地域別には、値幅調整、時間調整、スピード調整の3種混合

2010年09月16日

(三尾 幸吉郎)

■見出し

・当面は調整局面が続く
・地域別には、値幅調整、時間調整、スピード調整の3種混合

■introduction

9月10日に国家統計局が発表した8月の主要70都市の不動産販売価格指数は前年同月比9.3%の上昇、新築住宅価格は同11.7%上昇、中古住宅価格は同6.2%上昇となった(図表-1)。
図表-2は、中国の不動産販売価格の値動きをビジュアルに把握するため、2006年1月を100とし、不動産販売価格指数の前月比の変化率を用いて、その後の値動きを推定したグラフである。これを見ると、主要70都市の不動産販売価格は今年5月にピークを付けた後、8月はピークから0.1%の下落となっている。都市別に見ると、北京が4月のピークから0.5%下落、上海が4、5月のピークから2.1%下落、広州が2月のピークから2.0%下落となっており、中国の不動産販売価格は今年春にピークアウトし、現在は緩やかな調整局面にある。
また、8月の販売面積は前年同月比10.1%の減少となったが、図表-3に示したとおり2008年の調整局面でも販売面積が大幅に減少、販売価格が上昇に転じたのは販売面積が増加に転じた後であり、中国政府は不動産価格抑制策を依然継続中であることから、当面は調整が続く可能性が高い。(図表-2)

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