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中国の成長基盤(2):中国のインフラ整備状況と今後の方向性
2010年08月27日
(三尾 幸吉郎)
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インフラは、鉄道、道路、港湾、空港、学校、病院、公園、上下水道など多種多様だが、ここでは、「交通・物流」、「エネルギー」、「都市・農村」、「その他の重要インフラ」の4つに分類して中国の経済成長との関係を分析する。
図表-1は、各分類の採用指標を国際比較したグラフだが、世界での相対的位置を見ることで、中国のインフラ整備の現状や特徴を把握し、今後の方向性の判断材料のひとつとした。
伝統的なインフラである「交通・物流」「エネルギー」は、これまで先行的に投資が行われてきたことから、今後は2000年代の増加率からは鈍化するものの、1980、1990年代程度の比較的速いペースでの増加を予想する。
都市化の進展を支えてきた「都市・農村」インフラは、農村では今後は量的拡大に加えて 安全性等の質的向上が重要に、都市では交通・物流、エネルギー、通信等のインフラ整備が進むと共に、国際比較で遅れ気味の汚物処理等の「静脈系」インフラの整備が進む。
労働者一人当たりGDPの伸びを左右する教育など「その他の重要インフラ」は、都市化進展ペースの鈍化がマイナス要因だが、教育の高度化、研究開発費の増加、民間活力を生かすビジネス環境の整備がプラス要因で、引続き高い伸びを維持できると予想する。
但し、将来中国が先進国を目指すためには、イノベーションを阻害する(1)曖昧な規定の下で根強く残る地方保護主義、(2)代金回収が難しい金融慣習、(3)知的財産権侵害の取締りの不徹底等、根深い民間活力の阻害要因を排除することも、2020年迄の課題となるだろう。
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