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米国経済動向~ソフトパッチ局面の様相に
2010年08月20日
(土肥原 晋)
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<米国経済・金融の概況>
欧州の債務問題を懸念して5月以降の金融市場は世界的に波乱の展開となった。春先まで順調な景気回復を見せていた米国経済にもその影響は大きく、4-6月期の成長率は前期比年率2.4%へと低下した。
雇用統計では5月以降民間部門の雇用増が大幅に縮小しており、8月FOMCでは金融政策を緩和方向へと舵をきったが、米景気の先行き不透明感を懸念したリスク回避の動きが再燃、株価が再下降するなど、政策当局の意に反した動きを見せている。
もっとも、FRBのMBS償還金を使った国債の買い入れ発表で長期金利が低下、また、米景気の減速でドルが売られる展開となっており、これら点は景気にプラス要因となっている。内需の回復が遅れる米国にとっては、ドル安は輸出を伸ばす好機とも言え、ドイツを中心としたユーロ経済回復の動きもプラスに働こう。
市場では二番底への懸念が再燃しているが、諸経済指標の動きは金融危機時の急激な冷え込みとは異なる。当面、二番底リスクを抱えながらも、ソフトパッチ(軟弱)局面が続くと思われる。
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